ロングドライブ
放浪旅41日目(4月19日)
朝の7時過ぎに起床。
夜は暗くて見えなかったんだけど桜みたいな綺麗な花に囲まれながら目覚める事が出来た。
これが果たして何の花かは分からないけど実に2年ぶりのお花見をした気になった。
セイゴさんは不安センサーがビンビンに反応してたらしく朝の6時前には荷物を片付け近場のマックに向かっていた。
僕も荷物を片付けさっそくマックに向かった。
マックでコーヒーだけ頼んで適当に数時間潰した。
僕らがいる所から次の大きな街っていうかまともに人が住んでいる街までは約780キロもある。
そこはコロラド州の首都Denverだ。
日本でいうと東京から青森県くらいかそれ以上の距離だ。
普通に考えたらヒッチで1発で行ける距離ではないが下手に刻んで何にもない街に降りたらそれこそ大惨事だから僕らは一発Denverを目指してヒッチをする事にした。
マックを出てヒッチポイントに向かっていると昨日マックで出会ったおっちゃんを見かけた。
片手には大きな寝袋を持っていたからきっと彼もどこかで寝てたに違いない。
ただテントもなしにあの寒さに耐えるなんてどんな身体をしてるんだろうって思った。
場所に到着し、さっそくヒッチを開始した。
交通量はチラホラとある。
だが果たしてこんな場所からDenverまで1発で行く車はいるのだろうか?
不安にも思いながら親指を立てた。
30分で車が停まった。
え、まじか。。
嘘でしょ?
僕達はドライバーにどこまで行くか聞きに行った。
まさか1発Denverじゃないだろうな。。
もしそうだったら半端ないぞコレ。
ドキドキしながら彼らに行き先を訪ねた。
「あの、すみません。どちらまで行きますか?僕達Denverを目指してるんですが。。」
「そうなのか、俺たちはDenverまで行くぜ!よかったら乗ってけよ!」
そう言って僕達を拾ってくれたのは若い兄ちゃん二人組だ。
名前メモし忘れました。
右の方は以前沖縄に数年間住んでいたらしい。
たまたまDenverに帰る途中だっそうだ。
いや、それにしても1発Denver行きに乗れるなんてラッキーすぎる。
こんな事ってあるのか??
通常だったら3日コースだし何にもない街にスタックする可能性大だった。
それがまさかの30分でDenver行きに乗れるなんて。。
なんか運を使い果たした気がした。
乗車直後に彼等からマックで買ったと思われるラップを頂いて食べた。
長距離乗せてくれるのにも関わらず食べ物も恵んでくれた。
本当にアメリカでは人の優しさを常に感じる。
僕達はいつも通り自己紹介や旅の目的や今まで起きたパプニングやこれからの事を話した。
どのドライバーにもヒッチハイクでアメリカ横断をしていると言うと素直に応援してくれて、凄く良い反応を見せてくれる。
日本人でも面白い事をしてる奴がいるんだなって彼等の中で残って欲しいと僕は思う。
僕も拾ってくれた彼らの顔はいずれ忘れても出逢いや瞬間は決して忘れはしないだろう。
僕は彼らにコロラドのどこがオススメを聞きまくった。なぜなら今まで拾ってくれた多くのドライバーがコロラドは良い場所だって言っていたからね。
自然と僕の中でコロラドは少し特別な場所になっていた。
いくつかオススメの場所を教えてもらってけどヒッチで行くのは難しそうだ。
まぁ行けたら行くとしよう。
しばらく走っていると景色はただの牧草風景に変わった。
永遠に広がってそうな牧草。
なんかオーストラリアにいる気分になった。
てか、そもそも僕は今だにアメリカにいる気分が全然しない。
これといってアメリカらしさを感じている訳ではないし、
ガッツリ観光してる訳も無い。
毎日人に会っているだけだ。
だけど人に会うことが僕の1番の目的でありそれ以外のことは正直興味がない。
それに人に会って話すことで一番アメリカのことを良く知る機会になるからね。
もちろんアメリカには目を疑うような綺麗な自然があるけど僕は全く興味がない。
なぜなら僕にとってそれはただの感動だけで終わってしまい、その続きがない。
仮に僕がグランドキャニオンとかヨセミテに行ったら、
うわぁ〜、すごすぎる。
えぐい。半端ない。
こんなの初めてみた。
感動。。
くらいな感じで終わるだろう。
もちろん長時間のトレイルや冒険など自分の脚でその場所はゆっくり回りみた景色は忘れられないものとなるしそれは別の話だけど、
ただ車でポイントによって景色だけ見るのは僕にとって何にも響かない。
何かを得ることはほとんどない。
逆にヒッチハイクで出会う人達のことは忘れないし得ることが沢山ある。
色んな考えや人生を歩んでいる人がいると生で実感出来るんだ。
そして自分の価値観や人生観を人とシェア出来て、その人の目線での意見も聞くことができる。
だから僕は人との出会いが好きなんだ。
日々が学びがある。
いや〜、英語勉強してよかった。
しばらくすると牧草地帯に沢山の風車が現れた。
そういえばアメリカは何パーセントくらい電力を再生可能エネルギーで補っているんだろうって思った。
確かカルフォニア州なんかは30年後くらいまでに100%再生可能で補う方針でいるとか聞いたけどな。
僕は非常に環境問題に対しては興味を持っているし地球を本気で救いたいと思ってる。
この旅を終えたらどんどんそっちの方にシフトをチェンジしていきたいと思う。
今は純粋に自分のやりたい事だけに集中したいからね。
7時間半のドライブを終え僕らは当初目指していたDenverではなく、Colorado Springという場所まで来た。
ここは彼らの育った町でコロラドを味わうことができると言っていたから来た。
Denverに行ったところでただの町だから僕は興味がない。
こっちにして正解だった。
降ろしてもらった場所Manitou Springsというかなりイカした町だった。
彼らにお礼の言葉とウイスキーを差し上げ別れた。
ありがとうございました。
しばらく街をブラブラと歩いてみるとコレがまた面白い。
非常に興味ふかい雑貨なんかで溢れてた。
腹も減っていたし適当なカフェで適当な飯を食べた
チップってどのタイミングで払うんだろうか?
良くわからないまま適当にテーブルの上に置いといた
その後も街をブラブラしつつ5キロ先にあるマックに向けて移動した。
そしていつもの如くマックで時間を潰した。
僕の日記では何十回とマックに行くシーンが書かれていおると思うが、ただマックにいて時間をダラダラと潰してる訳ではない。
むしろマックにいる時間が一番濃い時間かもしれない
唯一、二人でゆっくりその日の事や感じた事をシェアできる貴重な時間なのだ。
僕らがマックで話している会話は流石に書ききれないし、自分の中に閉まっておきたい。気が向いたら少し描いてみようと思う。
そうして夜まで時間を潰して僕達はキャンプ場を探しにマックを後にした。