4時間。
放浪旅51日目(4月29日)
時刻は朝の8時。
彼らが仕事に行く時間と同じタイミングに家を出た。
二人にしっかりお礼を述べ別れた。
ありがとうございました。
ここの家から高速の入り口まではほんの2~3キロだ。
途中で見つけたコンビニでモンスターを購入して場所へと向かった。
まずは市内から抜ける事を目標に空港とサインボードに書いて目指した。
空港からも西海岸に繋がる高速が出ているし、車も多そうだと思ったからだ。
交通量はアホ多いい。
多分今まで一番じゃないかな?
さすが市内から出る高速だ
アホ車通るし微妙に路肩が狭くて駐車するの難しそうだなぁ。
これは厳しい戦いになるぞって思ってたら10分くらいで停まった。
ま、まじか。。
僕は慌ててギターをしまい車の元へと向かった。
僕らを拾ってくれたのはケニーだ。
エアポート周辺で働いているそうだ。
彼は生まれも育ちもレイクソルトシティだ。
僕は彼に向かって、
ここは他の場所と全然違いますね。
なんかこう美しいです。
と言うと彼は僕に向かって、
ここは美しいだろう?
もちろん他にもユタ州は美しい場所がいっぱいあるが、ここは別の惑星だ。
そう思うくらい素晴らしいよ
と自信に満ち溢れた顔で僕らに伝えた。
彼みたいに自信を持って自分の住んでる場所や育った場所を誇りに思えるのってなんか凄くいい。
僕もいつか自分が住む地域を本気で自信を持って誇れるようになりたいと思った。
エアポートには30分くらいで到着し彼とは別れた。
ありがとうございました。
少しだけガソスタで休憩しひき続きヒッチを始めた。
いや〜、雪山っていいね♪
行き先はユタとネバダ州の境界線近くにある街だ。
それでもここから150キロくらいは離れてる。
話によるとソルトレイクからカルフォルニア州のRENOという街までの約850キロの道のりはアメリカで一番何にもない道らしい。
つまり普通なら100キロ沖にある程度大きな街なんかにたどり着けるんだけど、ここはそうでなはなくて他とは違う。
大きな街はほんの数箇所でそれ以外は何にもないらしい。
だがその分ヒッチが成功する=ロングライドだ。
最低でも200キロは進めるなんて言っていた。
ただこの街からカルフォルニア州まで車で行く人なんて旅行者か自由人くらいしかいないはずだ。
わざわざ車で行く人は少ない。
それに観光客に人気のあるルートではないからね。
まぁ最後の難関ってことで気合を入れヒッチを始めた。
高速道路から抜け出すのが最優先だ。
まずここから長距離ライドを捕まえるのはまず不可能に近い。
よっぽど特殊なケースで空港からロードトリップを始めるという変わった奴しかいない。
それもソルトレイクシティからね。
まぁそんなミラクルも信じながら親指を立て続けた。
1時間が経った。
もうなんとも思わない。
1時間なんて5分くらいにしか感じないほど一瞬で過ぎる。
まだ余裕でニコニコする体力は残ってる。
2時間が経った。
うん、これもまだ全然いける。
この程度であれば鼻くそをほじりながら笑顔でヒッチが出来る。
伊達に2時間待ちを繰り返してきたわけじゃない。
2時間半が経った。
ちょっとキツイなぁ。
でもまだ笑顔は保てるぞ。
気合だ!気合だ!気合だ!
3時間が経った。
*&%$ あ、危ねぇ。。。
一瞬気が吹っ飛ぶとこだったぜ。
でも3時間も待ったんだ。
もう少し経てば絶対に誰かが止まってくれるはず。。
3時間半が経った。
@$%^$&(。。。
ガッツリ昇天した。
さすがに同じ場所に3時間半も居続けるってキツイよね。
もう自分何をやってるのか分からない。
ただ親指を掲げてるカカシだ。
4時間が経った。
@$%^&*:?:$@$!%^夜露死苦
よし、もう日本に帰ろう♪
荷物をまとめて空港の方へと向かった。
って、
エグすぎだろぉぉぉぉぉ
4時間だぞ?
もう一度言うよ。
4時間も半径3メートル以内に留まってたんだよ。
なんだよ。これ。
ただラッキーだった事に日頃から2時間待ちを連発しているから待つとゆう事に慣れてきているから案外そこまでダメージは少なかった。
それでもさすがに4時間はキツイよね。
ほんと日記には簡単にかけちゃうけど実際はそんな簡単なもんじゃない。
ただ過ぎてみると一瞬のように感じてしまう。
人間って面白いなぁ。
僕らはガソスタ近くにバーガーキングにあった。
適当にセットのメニューを頼んで身体を休めた。
僕らは二人でヒッチをやっているがヒッチをやっている時は基本そんなに話さない。
もちろん日にもよるけど、今日は4時間ヒッチをやってセイゴさんと話した時間は計15分もなかったろう。
特に後半2時間は、
誰も止まらないっすね〜。
やばいっすね〜
だけを30分おきに言ってただけだ。
ヒッチしてる最中も話しているとあっという間に時間を過ぎるんだけど、話していて車は止まった事がない。
セイゴさんと初めてあった後にニュージーランドでヒッチをやった時もそうだった。
僕らはお互いの話に夢中でヒッチどころじゃなかった。
だからヒッチやる時はあんまり話してやらない方が良いっていうのは僕のちょっとした経験談だ。
ただ停まってくれる人は結局何をしてても止まるんだけどね。
まぁ話をまとめると、
死ぬまでやれば1台くらいは必ず停まるって事だ。
って事で僕達は休息後再び先ほどと同じヒッチポイントへと向かった。
足取りは重い。
でもここでヒッチをやるしか道はない。
ここで死ぬまでやってやろうと思った。
交通量は先ほどと同様少ない。
ドライバーからの反応も少ない。
まぁやるしかないんだよな。
珍しく初っ端からフルパワーでヒッチを行なった。
10分で車が泊まった。
キ、キタァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
待った甲斐があった。
やっぱり絶対に停まってくれる人がいるんだね
拾ってくれたのはガイさんだ。
もちろんここから遠くに行くはずもなく20キロくらいの近場だが喜んで送ってもらう事にした。
彼は昔バンドに入っててドラムも叩いてたりしたそうだ。
今は完全に趣味で一人で全ての楽器を弾き歌い、それをレコーディングしてるという。
す、すげぇ。
彼の携帯には彼のオリジナル曲がたくさんある。
その中の数曲を聴かせてもらった。
疲れた僕の体にはちょうど良い音楽だったのか急に眠くなった。
彼の自信作の娘とのコラボした曲を着てる時にほんの数秒寝落ちした。
自信作の曲をかけてるのに寝るなんて申し訳ないと思ってて慌てて起きたけど、その瞬間を鏡ごしで見られてて、
お前、だいじょうか?
眠いのか?
と心配されたくらいだ。
短い距離だったから目的地にあっという間についた。
ありがとうございました。
時刻は夕方だった。
時間的にはまだ全然問題ないが、
ここは小さな待ちだ。
試しにヒッチをやったがこの時間に西方面に行く車はほぼ皆無だった。
てか、この街から西方面に行く人がいるのかなってくらいだ。
そうして僕達はマックへと逃げ込んだ。
この日もいつも通りセイゴさんとペチャクチャ話をした。
本当にこの時間がゆい意義だ。
一人旅ももちろん良いんだけど、
僕は断然に二人旅がいい。
一人で旅する事で見える部分も違うし出会いが増える。
だけど僕はどっちも経験済みだ。
実際に両方やってみて僕は二人旅が向いていることが分かった。
一人旅もいいけどね。
僕らはいつも通りマックで熱い話を何時間もして寝床へと向かっていった。