僕が見たかったのは。

究極の自由を求めるPEPEの大冒険

数字の奴隷

 

 

放浪旅52日目(5月2日)

 

現在地ユタ州Tooele

 

朝の7時半に目が覚めた。

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昨日はマックの反対側にあったガソスタの駐車場の裏の庭にテントを張らせてもらった。

 

朝起きると太陽に山々が照らされていて物凄く綺麗だった。

 

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朝起きて一発目にこんな物を見れるなんて贅沢な時間を過ごしてるなぁって思った。

 

テントを片ずけマックへと向かった。

 

いつもと同じ美味しくない1ドルのコーヒーを頼んで少し時間を潰しヒッチを始めた。

 

今日はとことんやるつもりだ。

 

昨日まさかの4時間待ちを味わったけど、

 

今日は何時間待とうがずっと西にいく。

 

ここから本格的にカルフォルニア州に入るまでは街が少なくなるし、人も少なくなる。

 

きっと1番の難所になるに違いない。

 

数カ所しか大きな街はないが、僕らはそれらの街以外は行くつもりがない。

 

当然少しでも刻んだほうが確立は高くなるけど、下手にアホ小さな街なんかに行ったらそれこそ終わりだ。

 

僕らの街の基準はマックやバーガーキングがあれば大きい街だ。

 

それ以外は小さい街。

 

とにかく幸せのMがある街ならどこでもいい。

 

とりあえずマックがありそうな街を目指しヒッチを始めた。

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昨日と同様に交通量は少ない。

 

やっぱりこんな街から西に行く人は少ないか。。

 

5分に1台通るくらいのペースだ。

 

まぁ焦っても仕方ない。

 

僕は路肩のフェンスに腰掛けギターを取り出し引き出した。

 

そして朝一発目のバレーコードに苦戦している最中に車は停まった。

 

え、まじで?

 

10分も経ってなかった。

 

まさに4時間の奇跡だ。

 

昨日踏ん張った僕達にヒッチハイクの神様はみてくれてたのかと思った。

 

拾ってくれたのはジェイクだ。

 

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彼の車は大きなハイエースで中で車の中で生活ができるようテレビもベットも冷蔵庫も置いてあった。

 

本当に申し訳ないんだけど見た目で判断しちゃって、乗る直前は車の中に大量のドラッグでもあるのかなぁ?なんて思っちゃったりしたけど実際はスーパー良い人でした。

 

すみません、、、

 

彼は仕事を辞めてこの車で生活しながら自由に暮らしているらしい。

 

僕らが彼に凄いですねと言うと、

 

何にも凄いことはないよ。

 

ただ俺は普通の人と違う事をやってるだけだ。

 

と二言で言い返された。

 

僕はこの時に自分の中に何かグサッと突き刺さったのを覚えてる。

 

僕も別に他人から評価を得たり羨ましがられたり凄いと言われるために旅をしている訳じゃないけど、100%そうなのかと言われたらそうでもない。

 

やっぱり心の奥底では、

 

ヒッチでアメリカ横断してんだぜ。

 

俺の生き方は他とは違う。

 

自由に生きてます。

 

みたいな感じで他人から認められたかったり、凄いと言われたいという感情があると思う。

 

それはほとんどの人がそうであって、逆にそうじゃない人は少ない。

 

特にこの現代を生きる若者で旅をしたり人は尚更だ。

 

SNSにド派手にアップして自分の旅の事を発信する。

 

そこには必ず他人からの評価を受けたいという気持ちがあるし、その為にSNSに発信しているようなもんだ。

 

本当にそんな事をどうでも良いって思っている人はわざわざSNSにUPしない。

 

だから彼の言葉は聞いた時に僕は非常に考え深いものがあった。

 

僕は本当に自分の為に旅をしているのだろうか?

 

それとも他者からの評価や認められたくて旅をしているのか?

 

それとも自分という人間を優位に見せたいのか?

 

純粋に好きで楽しいからやっているのか?

 

僕にはすぐに答えは出なかった。

 

もちろん自分では100%自分の為に旅をしている気でいるが、そうじゃないかも知れないし、そうかもしれない。

 

ただ僕は他人からの評価は抜きとして、他人に影響を与えたいってのは物凄くある。

 

僕自身もたくさんの人に影響された。

 

だから僕も誰かに影響を与えたい。

 

そして情報を与えたい。

 

だから僕はこの日記やインスタなんかを使って発信するんだと思う。

 

それはこの先も続けたい。

 

今はただの僕の旅日記だけど、いずれは環境問題や現在地球で起こっている事なんかをブログやインスタを使って発信したい。

 

人に伝えるための手段としてSNSは最も素晴らしいルーツだからね。

 

だからいっ時はSNSを辞めようと思ったけど、

 

自分が感じたことや経験というものをSNSを通して発信して行きたいと思った。

 

それに以前の僕はどこか数字を気にしているところがあった。

 

いや、殆どの日本人がそうだろう。

 

僕らは常に数字の中で生きてきた。

 

給料はいくらか?

 

貯金残高はいくらか?

 

通知表の1〜5段階の数字

 

高校、大学の偏差値

 

旅に関しては、

 

何カ国に訪れたとか、

 

何千キロ移動したとか

 

ブログだったら

 

アクセス数や読者数とか。

 

SNSだと

 

いいねの数や

 

フォロワーの数だったり

 

もうあげたらキリがないけど、

 

なんかほんと数字ばっか気にしてくだらないと思った。

 

僕の大好きなラッパーの狐火さんという方の歌にこんな歌詞があった

 

通知表に評価され育って

社会に出たら給料明細に評価され

自分の価値は銀行通帳の残高に反映されているような感覚

 

www.youtube.com

 

気になる人は聞いてみて。

 

この歌詞はすごく僕の中で印象に残った。

 

確かにその通りだなって思う。

 

日本の教育上僕らは常に競争させて数字の中で生きてきた。

 

ある意味数字の奴隷になってたのかもしれない。

 

いかにテストで高い点数を取るか。

 

偏差値の高い大学に入れば給料の高い良い会社に入れる。

 

そんな事ばっかり教え込まれ数字の事しか見えなくなっている。

 

だから自然と数字ばっか気にしてしまっているのかもしれない。

 

数字にとらわれて生きるなんて実にもったいない。


数字に依存するのではなく本質を見極めましょってこと。

本当に大事なのは中身なんだよな。中身。

 

本当にそうだよ。

 

もちろんその数字で自分の成長を測ったり記録したり何かと必要な時もあるけど、

 

その数字で人の価値が決まるわけではない

 

通知表や給料明細の数字なんか実にくだらない。

 

大事なのは自分自身。

 

本質を見極められない人ほど数字にこだわる。

 

その数字を高くする事でしか幸せを得られないから。

 

数字なんて、ただの数字だ。


そう、思っていればそこにとらわれ過ぎたりはしない

 

もっと楽に人生が生きれる。

 

僕は最近それに気づき始めてきた。

 

そのおかげか何だか生きるのが楽になった。

 

おっと話がそれたけど僕は彼の言葉を機にそんな事をずっと車の中で考えていた。

 

話は戻り、、、

 

本来、彼はネバダ州のとある街に向かう予定だったんだけど、急遽予定変更しそのままカルフォルニア州の手前のRENOまで行くことになり僕らを連れてってくれることになった。

 

ま、まじか。。

 

ってことは何キロだ?

 

僕はダウンロードしたMaps meを開いて距離を調べた。

 

8、800キロ?

 

一気にタイムワープ出来る気持ちになった。

 

時間にして7時間30分のドライブだ。

 

本当にありがたい。

 

そして僕らのロングドライブは始まった。

 

まず走っていると湖が見えてきた。

 

どうやらこれは塩湖らしい。

 

近くまで寄ってみることに。

 

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初めて塩湖を見たけど普通の湖だった。

 

試しに水を舐めてみたけど、

 

オェ、ショッペ

 

っていう当たり前のリアクションになった。

 

そして車を走らせ僕らは最初の目的地であったWendoverについた。

 

ここはソルトレイクシティからカルフォルニア州までを繋ぐ80のハイウェイ沿いにある街ではかなり大き方だったけど、みた感じは微妙だった。

 

ここでこの程度だったら先はもっと悲惨なんだろうと思った。

 

ここにはユタとネバダ州の境界線があり記念に写真を撮った。

 

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そして彼にタコス屋に連れてってもらいご馳走してもらった。

 

ありがとうございます。

 

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タコスを注文している時に突然雪が降り始めた。

 

うお、寒いなぁ。

 

ここでスタックしないで本当よかった。

 

そして僕らは街を出てさらに西へと向かった。

 

車を走らせていると景色は急に変わり辺り一面に雪が積もってる。

 

そして大雪だ。

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いや、ほんとにラッキーだった。

 

多分彼と出会ってなかったら絶対に地獄だった。

 

こんな大雪でヒッチなんて出来ないし、仮にマックがない街にスタックしたら終わりだよ。

 

途中で何回か休憩しつつ走り続けた。

 

そして数時間走り続けると天気も変わり晴れてきた。

 

車内から見た景色は間違いなくこのアメリカ旅で一番の絶景だ。

 

壮大なアメリカの土地に雪山が連なっている。

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本当に素晴らしかった。

 

アメリカには沢山の素晴らしい場所がある。

 

それらを体験できるのに一体どのくらいの時間が必要なんだろうな。

 

すると僕も彼もションベンをしたくなったから高速の道路サイドに車を止めて少し休憩することにした。

 

車から降りてみる光景は圧巻だった。

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たまたましょんべんで立ち寄った場所が忘れられない景色になるんだ。

 

旅って面白い。

 

そしてさらにドライブをして西に向かっていった。

 

すると彼が携帯で日本のアニメを流し出した。

 

彼もすごく好きな作品らしい。

 

そう、ワンパンマンだ。

 

少年系漫画オタクのくせに僕はワンパンマンを読んだことがなかった。

 

だからどんな内容かも知らなかった。

 

ただアニメを見ているとクソ面白い。

 

なんだこれ。。

 

アメリカ旅より面白いじゃないか。

 

思わず車の中で何度も爆笑した。

 

やっぱ日本のアニメって面白いな。

 

日本帰ったら1週間くらい引きこもってアニメと漫画が読みたい。

 

5話目までの途中まで見ることができた。

 

そして気がつくと約8時間のドライブを終えてRENOに到着していた。

 

彼には中心街近くのカジノまで送り届けてもらい別れた。

 

別れる時に持ち合わせてる現金で沢山ではないけど、彼に気持ちとして受け取って欲しいと渡したら断られた。

 

8時間も送ってもらいタコスまでご馳走になったのに彼はそれを受け取らなかった。

 

僕らはせめてガソリン代にでも当てて欲しかったし、受け取ってもらいたかった。

 

この時に僕はまた衝撃を受けた。

 

本当に彼はご好意で僕らを運んでくれたんだと。

 

実際に僕らがRENOまで行くって言ってなかったら彼はネバダで車を停めてたはずだ。

 

僕らが行くと言ったから急遽予定を変更してくれたんだと思う。

 

本当に肌の色なんて関係ない。

 

最初は黒人に対して苦手意識があった。

 

それは19歳の時にニュージーランドでピストルを腹に突き立てられ脅されお金を取られた経験があったからだ。

 

犯人は黒人ではないけどマオリだった。

 

だからどうしても事件以来に肌の黒い人を見るとつい見る目が変わってしまう。

 

何も話してないのにあの人は肌が黒いからと差別している部分が正直あった。

 

それにアメリカ旅してる最中も沢山の黒人のホームレスでイかれた連中もこの目で見てきた。

 

でも今日の彼と過ごした時間のおかげで僕の対する見方は変わった。

 

ヒッチハイクは決して普段生きていたら関わらない人と巡り会え色んな経験が出来る。

 

僕は本当にアメリカでヒッチをしてよかったと思った。

 

そして僕らは別れた。

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ありがとうございました。

 

そのあとはキックボードでスーパーへと向かいそこに併設されているマックでセイゴさんと語り寝床を探しに街へと消えた。

 

良い出会いだった。