僕が見たかったのは。

究極の自由を求めるPEPEの大冒険

めいわ

 

世界一周23日目(4月1日)

 

朝の8時に僕は目覚めた

 

明け方にいきなり雨が降ったもんだから

僕はオジさんと屋根のある場所に移動してそのまま再び眠りについた。

 

僕のテントは濡れていて少しだけ憂鬱な気分になった。

 

だって濡れたままのテントをバックパックにしまうんだよ?

次に使う時に嫌な匂いがするじゃん。

 

うわ、最悪だ〜なんて思いながらテントの外に出ると今日は珍しくオジさんもまだ僕の横で寝ている。

 

そんなホームレス二人が近くで寝ているのにも関わらず地元のおじさんやおばさん達は相変わらず奇妙な体操を朝っぱらから元気に行っている。

 

これが観察をしていると実に面白い。

例えるのは難しいが近いものとすれば、

めがねという映画に出てくるメルシー体操

 

ただ彼らの場合少しカンフーを取り入れてるような感じの体操をする。

スピーカーから流れる音楽に乗せて体を動かし奇妙な体操を始める。

 

一瞬動きが止まり体操が終わったように見えるがその時に何か目に見えないモノを貯めている。

 

そして全員で一斉にそれを放出する。

大きな掛け声とともに。

 

「 ハーホォ!ホォ!ハァ!ワワ〜 」

 

何度この掛け声で僕は目覚めたか。

 

 

これを彼らは毎日朝の7時前から行っている。台湾の独特な文化なのかな?

 

そんな彼らの体操を見ながら僕はテントを片ずけてオジさんに別れを告げて公園を後にした。

 

そういえば昨日ロクに飯を食ってなかった。腹が減ってた僕は公園から出てすぐの食堂に入った。

 

どうやらここは麺類を売りにしてる食堂だった。相変わらずメニューに写真はない

 

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とりあえず僕は名前からして普通な牛肉麺を注文した。

 

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105元(約370円)

想像通りの料理が来た。

 

腹を満たした僕はしばらく食堂でのんびりした。

店内ではテレビでメジャーリーグの試合が流れてた。

僕はそれをしばらく見てた

野球を見るなんて実に久しぶりだ。

少しだけ自分が野球をやっていた時のことを思い出した。

 

確かあの時はプロ野球選手になりたいって思った時期もあった気がする。

そんな夢を持ってた時期から既に10年も経ってる。

時間が過ぎるのがあっという間だ。

 

店を出た後は再び昨日と同じヒッチハイクのポイントに向かった。

 

今日は月曜日だからなのか昨日よりも交通量が多かった。

あまり期待はせず荷物を置いてヒッチを開始した。

今日は1時間だけやってダメだったらやめる。

そう自分の中で決めて親指を掲げた。

 

結局誰一人レスポンスをくれた人はいなかった。

時間通り1時間で切り上げた。

 

親日国イコールヒッチハイクに寛容とは

全く限らない。

それにここは台北だ。どこの国でも首都がある場所はヒッチハイクしづらい。

 

ヒッチを終え僕が次に向かった先はスタバだ

昨日利用した際にとても気に入った。

300円コーヒーで快適な環境で充電もし放題

ここは貧乏バックパッカーのオアシスだろう

 

Wi-fiを使いながら僕は日記を気持ちよく書いた。

 

パソコンをカタカタいじっていると

インスタグラムに通知だ。

それは母親からのメッセージだ。

どうしたんだろうなーって思って開くと

元号が変わったよっていうお知らせだった

 

そういえば平成が終わるなんて言ってたな。

 

僕は2年間ほぼ日本のニュースは見てない。

だからいつ新しい元号に変わるのかも知らないし耳にすら届かなかった。

 

だから母親からそれを聞いた時はビックリ。

 

母親

「新元号 令和だよ。」

「なんて読むの?」

「めいわ?」

「いい名前だね。」

 

母親

「れいわだよ!」

 

母親から新元号の読み方の返信が来たのは、10時間後くらいだった。

 

僕はそれまで新元号めいわだと思ってた。

命と令を完全に逆に捉えてた。

改めてれいわだと聞かされた時はめいわの方が個人的に好きだったから

少しだけ違和感とガッカリした。

 

元号が変わることで特別何か僕の生活が変わることはない。

ただ肩書きがつくのかなって思ったりする。

 

令和1年目の新社会人。

 

つまり僕と同じ22歳の代は今年大学を卒業して就職し令和世代として社会に出るのか。

 

きっとベテランの年老いた昭和世代からしたら甘ったれた令和世代が入社してくるぞ。そんな事を思っている人もいるのかな。

 

僕は就職して社会に出るわけでもないからお気楽に今を楽しんでる。

ただこれから社会に出る同世代の方達には頑張って貰いたいと思う。

何かこう常識を壊すような、

自分でしっかり考えてそれを行動していく。

そういった人達が一人でも多く出て令和世代を盛り上げて欲しい。

 

僕もしっかり令和1年目の新社会人世代として自分を貫いていこうと思う。

 

そして僕の日記が彼ら達の目に触れる機会になったらとても嬉しく思う。

 

君達と同じ世代のロン毛は今日もテントで寝てるぜ

お金お安定もないけど笑って生きてるよって。

きっと半分以上の人が社会に不満を持つと思う。

現に僕も持っているし敵対心丸出しだ。

 

社会に疲れたら僕の日記を見て少しでも違う選択肢もあるって事を気付かせることができたら嬉しい。

何も働くだけが全てじゃないって。

偉そうに言ってるが僕だってまだ何にも分かっちゃいない。

多くのことは出来ないし、

もしかしたら現実逃避なのかもしれない。

 

それでも僕は唯一出来る事がある。

 

それは自分の人生を一生懸命に生きる事。

 

何が正しいかの答えなんてない。

自分の人生を一生懸命に生きて笑って過ごせればいいんじゃないっすか?

 

自分が幸せだと思う人生。

先ではなく今を懸命に生きる。

1日が終わる時に自分自信に尋ねてみ

今日は幸せだったかって。

 

だから僕はこの日記を書いていこうと思う。

僕は毎日が本当に楽しくて幸せだ。

20キロもある重いバックパックを背負って毎日何キロもあるかなきゃだし

カフカのベッドとは程遠いい野宿生活だけど胸張って幸せだと言える。

 

だってこれが自分のやりたい事だもん。

 

もちろん中には社会に出たらそんな事を

言ってらんないぞって言う人がいるかもしれない。

 

何とでも言ってくれて。

僕は鼻から一般社会に属するつもりなど

ない

安心して笑ってくれたまえ。

 

やりたくないって分かってるのに自分を殺して貴重な限りある時間を使ってまで

我慢するほど僕は出来た人間じゃない

 

僕は社会に属したくないから属さない。

スーツ着たくないから着ない。

やりたい事をやりたいからやる。

 

ワガママの様に見えるけど至ってシンプルだ

 

勘違いして欲しくないのは僕は何も否定するつもりなんて全くない。

社会に属して働くのを否定してる訳じゃない

旅に出るのがいいって言ってる訳でもない。

 

ただ自分が好きな様に暮らしたいだけだ

 

人それぞれの人生だ

幸せの価値観なんて何十億通りある。

 

自分が本当に幸せだと思って生きてるか

生きていないかだけだと思う。

 

だからそこの君もきっと大丈夫だ。

自分の好きな様に生きればいい。

好きな様に生きたって死にはしないよ

 

究極のロン毛フリーターがそう言ってるんだ

 

説得力全然ないぞ!

 

そしてもし社会に疲れたら僕の日記を見て少しでも笑ってくれ。

そして旅がしたくなったら是非してくれ。

野宿の仕方を知りたかったらコメントくれ。

二郎食べる時は必ずニンニクをマシてくれ

 

結果何でもいいんです。

この日記で誰かの心に少しでも入り込めればそれだけで充分です。

そういった意味合いも込めて書いていきたい

 

まぁ最終的に何が言いたいかというとですね

 

れいわじゃなくてめいわが良かった」 

 

 

そんなこんなでスタバで時間を潰した僕は台北駅に向かった。

 

どうやらバスターミナルが駅の周辺にあるらしくそこでチケットが買えるそうだ。

 

ヒッチハイクを諦めた僕に残された道はバスしかなかった。

 

ターミナルに到着するとそこには沢山の会社の受付があった。

 

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とりあえず片っ端から尋ねては値段を聞くの繰り返し。

僕がいく予定だった台中までは240元(840円)

なかなか悪くない値段だ。

 

即決で買おうかと思ったがよくよく見ると、

このバス停からは色んな方面にバスが出てる事が判明した。

 

その中に1つ気になった場所が台南だ。

 

僕がいる台北の反対側の町である台南。

せっかくバスに乗るのなら一気に遠いい台南まで行った方がいいと思って

もう一度値段を聞きに受付を回った。

 

それにヒッチハイクをしてるときに会ったバイクの兄ちゃんも

南に行けば行くほど人も温かいって言ってたし、

ヒッチもしやすいのかなって思った。

 

すると驚く事にここから約4時間半もかかる場所であるのに関わらず

たったの410元(1430円)でいけるそうだ。

僕は即決で20時発の台南行きチケットを買った。

 

バスまでの時間は適当に周辺を歩いて時間を潰す事にした。

 

たまたまターミナルの近くに地下街の商店があったからそこに脚を運んだ。

 

西門とは違いあまりゴチャゴチャしてなくて

僕は歩いてるだけで楽しかった。

それにB級グルメもあったりしたから食事にも困らない。

たまたま通りかかった店で早めの夕食だ

 

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名前は忘れたけど確かなんとか丼40元(140円)

 

食べ終わった後も適当にブラブラしてると何処からか歌声が聞こえてくる。

気になった僕は声がする方に向かった。

 

そこで歌ってたのは日本人の方だった。

物凄く渋い声で長髪でニット帽スタイルだ。

見た感じ年齢は50代手前くらいだ。

 

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彼の見た目や演奏を聴いていると

少しばかりか彼の人生が伝わってきた。

僕はしばらく彼の歌を聴き続けた。

 

すると彼は日本語の歌を歌い始めた。

僕には誰のうたかも分からないし曲名も知らない。

全く初めての曲だ。

 

それでも僕はこの歌に彼の生き様も載っているような

気がして欠かさず歌詞をメモした。

正確には全部メモできなかったけど、

自分の中で留めておきたかった。

 

呼吸をすれば胸の中 こがらしは鳴き続ける。

されどわが胸は熱く夢を追い続けるなり

あぁいつの日か誰かがこの道を。

 

彼の吐き出す言葉を聴いていたら

彼はどんな人生を送ってきたんだろうかと

すごく興味が溢れ出た。

 

出来れば少しお話をしたかったけどそれはかなわなかった

 

ただ彼の演奏を聴いた事で何かが自分の中で動いた。聴けてよかったな。

 

僕はその場を後にしバスターミナルまで向かった。

 

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そして20時発のバスにのり約4時間半をかけて深夜1時前に台南に到着した

 

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もの凄く眠く足取りもかなり重い。

これから重い荷物を持って寝床を探すために歩き回るのかと思うと最悪の1日の終わり方だと思った。

 

そして僕は自分自身にこう尋ねた。

今日は幸せだったか?

 

 

 

全然幸せでも何ともねぇよ。

 

そう言って僕は夜の街へと消えていった