僕が見たかったのは。

究極の自由を求めるPEPEの大冒険

さようならエリザベス。

 

放浪旅47日目(4月25日)

 

現在地コロラド州Ground Junction

 

へ、ヘックション。

 

大きなくしゃみと同時に目が覚めた。

 

今日は茂みの中からおはよう。

 

昨日キャンプ地に選んだのは線路横の茂みだった。

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ここにたどり着く前に何箇所か候補はあったが珍しく僕の危険センサーがビンビンに発していたからこの場所は見つけるのに随分と時間がかかった。

 

ここを見つけるまえに僕らはこの鉄道の上を走る高速道路の橋の下で寝ようとしたが僕はあんまり良いイメージが持てなかった。

 

なぜなら橋の下っていうのはホームレスにとって絶好の場所で彼らがもっとも集まる場所だからだ。

 

歩道からも簡単に行けて雨や風も防げて人目につきにくい。

 

彼らからしたらヘブンだ。

 

僕らはここら一帯のホームレスでもないよそ者だ。

 

下手に彼らの領域に行かない方がいい。

 

それに場所をよく観察すると生活感でいっぱいだった。


僕は一瞬で辞めましょとセイゴさんに伝え、

 

その代わりにすぐ近くに大きな駐車場があったからそこのフェンスの前でキャンプしましょうと提案したが今度はセイゴさんのセンサーがビンビンに発したため却下になった。

 

流石に丸見え過ぎたかなって思ったけど人目についた方が安全だ。

 

ただ丸見え過ぎなのはセイゴさんにとってキツイらしい。

 

僕は心の中で、

 

いや、昨日めっちゃ丸見えでしたよ。。

 

このくらい余裕ですよ。。

 

とボソッと言った。

 

そうして僕達が向かったのがここだったって訳だ。

 

ただ時間かかったおかげか中々ベストな場所だった。

 

線路の横にある茂みの中だったからまず誰からもきずかれない。

 

僕らは茂みをかき分け寝れる分のスペースを作った。

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それに山岳地帯を抜けてきてから気温が暖かい。

 

流石に半袖半ズボンではねれないがテントを立てる必要がないくらい暖かい。

 

これは快適な睡眠が待ってるぞと期待した。

 

時刻は10時半くらいだった。

 

バーガーキング閉店時間が21時だったこともあり今日寝床に着いたのは比較的いつもと比べると早い。

 

ただやっぱり体は疲れてる。

 

僕は気がつくと寝落ちしていた。

 

するといきなりの事だった。

 

バゴォーン

 

ガァガァガァガァ

 

ギィギィィギィギィー

 

物凄い大きな音を立てながら死ぬほど長い貨物列車が僕らのすぐ横を通過した。

 

距離にして3〜4メートルってとこか

 

僕は突然のことでキョトンとした。

 

一瞬何が起きてるのか分からなかった。

 

だが気付いた時には大きな列車が横を通り過ぎてた。

 

うわぁ、もし脱線したり貨物が落ちたり石ころが飛んできたりしたら死ぬんだろうなって思った。

 

そしてしばらくすると列車が止まった。

 

果たしてこの列車はどこに向かうんだろうか?

 

きっとかなり遠い所に違いない。

 

もし仮にこの列車が西海岸に行くのであればコイツに乗り込めば僕らは簡単に行けてしまう。

 

ただそれじゃつまらないし横断が目的でアメリカにきた訳じゃない。

 

僕らは人に会うためにヒッチをしてるんだ。

 

単なる移動は興味がない。

なんてつまらない旅になるんだ。

 

だから僕はトレインホッピングをしなかった

てかクソ眠かったからそんな気も起きなかった

 

そして朝の7時半に無事に起きる事が出来た。

 

ふむ、ナイス睡眠

 

寝袋オンリーだったけど気温もそこまで寒くなく快適にキャンプが出来た。

 

起きた後はすぐにバーガーキングに向かった。

 

すると僕らの10メートル先くらいの茂みに別のホームレスが丁度起きたみたいで顔をピョコッと茂みの中から出していた。

 

僕らと目があった彼は2−3秒間固まってたがその後すぐに隠れた。

 

きっと気まずかったのかな?

 

脅かしてごめんよ。

 

コンセントがない

 

昨日もそうだがここのバーガーキングにはコンセントがなく充電が出来ない。

 

まぁまだ充電が残ってるしよしとした。

 

今日の予定はもう一泊ここにステイする事だ。

 

9時過ぎまで時間を潰し僕らがまず向かった先は中心街だ。

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やっぱりここの街は僕にとても合う。

 

ゴチャゴチャしていなく非常に良い。

 

お店自体もそこまで多くはないけど僕にとっては十分すぎる。

 

何だろう時間がとてもゆっくりと流れてる。

 

人々は忙しく無さそうだし、

 

自分の時間をゆっくり大切にしてるような感じだ。

 

お店のスタッフも客が入ればおもてなし、そうじゃなければなんかゆっくりしてる。

 

まず僕が向かいたかったのはアウトドアショップだ。

 

これから真夏へとドンドン暑くなっていくのに関わらず僕は厚手のフリースが欲しかった。

 

僕はこれからの旅でもう暑い所には行かない。

 

リゾート地や東南アジアなんかにも行かない。

 

僕が行く場所は夏でも寒い所だ。

 

だから僕には一枚厚手のフリースを購入する必要があった。

 

それも最低5〜10年は着れるやつね。

 

僕は服を全然所有してない。

 

てかなるべく持たないようにしている。

 

今から4年以上前からかな?

 

高校を卒業してから僕は一気にミニマム思考になっていった。

 

なるべく物は多く持ちたくないし破棄したくないからだ。

 

だから僕は服を購入するときは迷わず良いものを買う。

 

僕が求めるのは長く使えるものだ。

 

現に僕は唯一持っているアークテリクスのジャケットはかれこれ5年目になる。

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僕はこれしか着ていないし持ってない。

 

だけどまだ現役バリバリだし後5年は使えるはずだ。

 

他の衣服もだいたいがそうだ。

 

僕は大事に長く衣服を使いたい。

 

それに味が出るしね。

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ちなみに僕が使ってるリーバイスの財布はかれこれ7年目だ。

 

小銭入れのポケットが何度も壊れたけど自分で縫いリペアして使い続けてる。

 

きっと僕はこれを死ぬまで使うに違いない。

 

さてさて話は逸れたが僕は店内に入り探した。

 

お店の中を見渡すとどうやらここはパタゴニアの品を中心の扱ってるようだ。

 

パタゴニアといえば僕が愛用するブランドの1つだ。

 

僕は彼らの理念が大好きだ。

 

それにクオリティもなかなか良い。

 

僕は久しぶりに真剣に服を探し回った。

 

そしてビビッと来るものを見つけ購入した。

 

値段はセール中で120ドルで買えた。

 

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かなりお買い得だった気がする。

 

それにかなり暖かいし軽い。

 

これならアラスカの寒さにも耐えられるだろう。

 

それに今後のキャンプ生活もさらに快適になる。

 

良い買い物をしたな。

 

その後はたまたま通り過ぎた楽器屋に入ることにした。

 

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中に入るとそこは何でも揃ってる大きな楽器屋だった。

 

僕はギターのカポを買いたくて店員さんと話してると、

 

お前ら音楽はやるのか?

 

地下にドラムとかあるから叩いてきてもいいぞ!

 

と言われたので荷物を置き地下に向かった。

 

するとそこには打楽器中心に色んな楽器があった。

 

ドラムを見つけたセイゴさんは真っ先に飛んでいきドラムを叩き始めた。

 

そしてしばらく地下でセッションを楽しんだ。

 

その後は上に戻りお店の人にお礼を言ってカポを購入した。

 

別れ際に彼らから、

 

この後はどこに行くんだ?

 

と聞かれたから僕はカッコつけて

 

北さ。

 

アラスカだよ。

 

と答えたら彼らに、

 

そうか。じゃあ食物連鎖の一部にならないように気をつけろ。

 

アラスカの熊はマジでやばいからな。

 

ガハハハハ。

 

と笑いながらアドバイスをくれた。

 

でもマジで食物連鎖の一部になりたくはないな。

 

よし、気をつけよう。

 

そうして店を出る前にピアノを少し弾いてからその場を後にした。

 

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その後も適当に街をブラブラと歩き回りお腹が空いた僕達はお昼を食べに行った

 

たまたま見つけたガソスタのフードコートでアメリカのジャンクフードを食べた。

 

チップスの上にソースとチーズがかかってる。

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うん、インパクト弱いなぁ。

 

アメリカのジャンクフードって絶滅したの?

 

僕が求めるものは多分もう日本にしか残ってないんだろうか。

 

少し残念な気持ちだ。

 

最近はどうやらヘルシー志向に走って多くのオーガニック系のお店があり日本よりオーガニックの普及は広がってるが一言言いたい。

 

どっちにしろ肥満大国だ。

 

オーストラリアもオーガニックは日本より流行ってるが結局のところ日本人より肥満だし寿命も短い。

 

以前タスマニアにいたときのシェアメイトの女の子は完全ビーガンでオーガニック系のモノしか基本的に食べないんだけど、少しぽっちゃりしてた。

 

その理由がスナックだ。

 

オージーアメリカンは確かにヘルシー志向になって日本よりオーガニックも普及してるけど、そもそもの食生活を見習わないと何も変わらない。

 

僕はオーガニックを好んで食べてる人の5割をステータス欲しさに食べているようにしうか見えない。

 

特にインスタにあげるような輩は7割がそうだろう。

 

僕は何のこだわりがないからオーガニックだろうがなかろうが目の前に出された食べ物は全部食べる。

 

次郎は死ぬまで食い続けるしね。

 

腹を満たした後は近くに国立公園があるみたいだからキックボードでそこに向かうことにした。

 

この写真の山の麓までキックで目指すことに。

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ちょっと遠いいなぁ。。

 

鬼の暑さの中バックパックを背負いながらひたすら漕いで国立公園を目指した。

 

街を抜け田舎道に入っていくと誰かの家のアホ広いお庭にあるスプリンクラーが動いてた。

 

ちょうど汗も出たし暑いから僕はシャワーを浴びることにした。

 

僕が浴び終わると次はセイゴさんのばんだ。

 

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いい歳した28歳脱サラが人の家のスプリンクラーで頭を洗ってるじゃないか。

 

なんて面白いんだ。

 

僕の日記を通して彼の生き様にも注目してもらいたい。

 

彼は持ってたキャリアを捨て自分のやりたい事をやる夢を選んだ。

 

僕と違ってキチンと大学を卒業し一度社会にも出てる。

 

トイックは驚異の940点で彼は通関士として働いてた。

 

普通なら部下がいたり結婚して子供がいてもおかしくない年齢だ。

 

僕らがもし会社で出会ってたら彼は僕のペコペコと頭を下げる上司だ。

 

それでもセイゴさんは自分の夢を選んで仕事を辞めた

 

そしてニュージーランドの路上で僕と出会った。

 

それもヒッチハイク中にね。

 

僕達はお互い日本で会ったことがないし年齢もバックグランドもバラバラだ。

 

だからこそ上手くマッチしたのかもしれない。

 

僕の知らない日本の社会について彼はよく知っていて会社に属することや働くことやサラリーマンの現状なんかの話を聞かせてくれる。

 

そのどれもが非常に興味深くて面白い話だ。

 

逆に僕は彼が持ってない考えや経験がありそれを話す。

 

お互い違う環境の人間だからこそ見える捉える角度は違って、それをシャアするとより深く得られるものが多いい。

 

このアメリカの旅も彼とじゃなかたったらここまで有意義にはならなかっただろう。

 

そんな彼も日記を書いている。

 

よかったら見てください。

 

僕の日記と違ってめっちゃ読みやすいです。

 

僕のは私情だだ漏れですからね。。

 

彼が仕事を辞めて旅に出る理由です。

seigo19.hatenablog.com

 

シャワーを浴びた後は引き続きキックボードを漕いだ。

 

途中完全に民家や街を抜けた事が分かったから僕達はバックパックを草むらに放り投げてバック1つ身軽な状態で国立公園へと向かった。

 

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ふぅ、これで楽になったぜ。

 

かれこれ1時間くらい漕いでくと少しずつ山が見えてきてテンションが上がった。

 

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ウヒョヒョヒョ。

 

実際には距離的に大したことはない。

 

10キロくらいで写真だと分かりにくいが実はこれ全部上り坂だった。

 

だから全然漕いでも進まない。

 

それに僕は自転車系はあまり得意じゃない。

 

長距離歩いたり、自転車に乗るのは好きじゃないし出来れば避けたい。

 

もちろん旅をしている時はスイッチが入るが、

 

普通だったら絶対にこんなことはしない。

 

自転車旅なんかは僕は出来ないだろう。

 

ほんとやってる人尊敬する。

 

それに思わぬ悲劇が襲った。

 

そう、キックボードのネジが壊れたのだ。

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命の大黒柱が壊れてしまった。

 

使えないことはないが今後の事を考えると無理させたくない。

 

だが気合いを入れて目指す事にした。

 

漕ぎ続けること2時間

 

僕らはついに入り口に着いた。

 

我ながらよく頑張った。

 

入り口にはゲートが設置してあり、

 

そこでお金を払い園内に入っていく感じだ。

 

ただ僕らはキックボード。

 

これ以上行っても何にも見れないし車がないとキツイ。

 

それにこの景色だけで充分だ。

 

そう言い残し僕らは来た道を戻る事にした。

 

帰りは本当に最高だった。

 

2時間かけて登った坂は帰りは下り坂へと変わり一度もキックボードから降りる事なく30分乗りっぱなしだった。

 

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多分人生で初めての経験できっと最後になるだろうと思った。

 

10キロ近くの下り坂をキックボードで下ることなんてこの先の人生でまずない

 

そして忘れられない思い出になった。

 

それにここまでキックボードで訪れた日本人も僕らくらいだろう。

 

一瞬一瞬噛みしめて下った。

 

ほんと楽しかった。

 

下り街に着くと僕らはスーパーに向かった。

 

そこには共有スペースにコンセントもあったから今日の基地にする事にした。

 

僕は適当に’野菜を買って食べながら日記を書いた。

 

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各自各々やる事をやった後はいつも恒例のおしゃべりタイムだ。

 

そしてスーパーでも有意義な時間を過ごした僕らは早めに昨日と同じ寝床へと向かった。

 

そして向かってる最中に事件は起きた。

 

ボキボキ

 

僕のキックボードがついに悲鳴をあげて完全に壊れたのだ。

 

1番のメインとなるネジを固定するナットが購入してから3日後にとれてなくなるハプニングがありそれ以来ナットがないネジは緩んだまま僕とバックパック全95キロをネジ一本で支えてきた。

 

それに加えて僕の乱暴な運転。

 

今日の国立公園に行った際に命のネジが折れ曲り、それを無理やり押し込んで使ってたけどガタがきたみたい。

 

4000円の決して良いキックボードとは言えないが良く耐えてくれた。

 

そしてニューヨークから一緒に旅してきた相棒が今日の最高のライドを機に最期を迎えた。

 

僕自身もあれ以上のライドは今後の人生でない。

 

最後に最高のライドを共にした。

 

常にこの旅1番近い距離で旅をしてきた僕の相棒に別れを告げた。

 

最後に彼には伝えてなかった彼の名前を心で叫び、

 

その場を後にした。

 

エリザベス。

 

後はゆっくり休んでくれ。

 

立派なリサイクルヒンとして俺の前に現れまた共にしよう。

 

ありがとう、さようなら。

 

そうして僕は歩いて昨日の寝床へと向かっていった。